あなたは、こんなことありませんか?

家庭菜園や野菜作りの本・サイトには必ず「土壌pH測定」って書いてあるけど、これはいったい何ですか?
pHって昔理科の授業で習った酸性やアルカリ性のこと?
土が酸性やアルカリ性になるの?
それが家庭菜園にどんな影響があるの?
測らないといけないなら、どうすればいいの?機材とか買わなきゃいけないの?
今回の記事では、以下のことがわかります
- 家庭菜園初心者は土壌pHを測らなくてもいい
- 土の酸性・アルカリ性の影響
- 土のpH値の測り方や測らないくても良い方法
この記事を書いている私、しばさくは、家庭菜園歴7年目突入中の、現役農家妻です。
年がら年中なにかしらの野菜を植えては収穫していますが、これまで私自身は土壌のpH値を測ったことはありません。
それは今までは特に必要に迫られてないからですし、測らなくても野菜は育つからです。
特に初心者にとって、「土壌pH」とかいう難しい言葉はとっつきにくいと思います。
今回の記事では、知っておいて損は無い「土壌pH」の基礎知識と、私がこれまで土壌pHを測ってなかった理由についても触れたいと思います。
もくじ
【家庭菜園】初心者は土壌pHを測らなくてもいい【理由】

これから野菜作りを始める・始めたばかりの初心者は、土壌pHを気にしなくても大丈夫です
理由
- まずは植えることが大切
- 生育不良の原因が土壌pHかどうかは分からない
- pH調整は難しい
まずは植えることが大切
よくある野菜作りの本やサイトを見ていると、必ずといっていいほど「土壌pH」の言葉が出てきます。
それを見ると「なんか難しそう」「ハードル高そう」「めんどくさい」といって尻込みしたことありませんか?
確かに、作物を植えるにあたって、土壌pHは少なからず生育に影響を及ぼすと言われています。
ただ、書いてある内容が初心者には難しい言葉ばっかりで、よくわからない。
分からないことが原因でせっかくのやる気が失われてしまってはもったいないです
まずは初心者でも育てやすい作物や野菜を植えることが大切です。
植えてみて、枯れやすい・大きくならない等生育に影響が出てきてから考えても遅くはありません
私はいつも「生育が悪くなってその理由がわからないときは土壌pHを測ろう」と思いながら作物を植え育てていますが、これまでその必要に迫られたことはありません。
生育不良の原因が土壌pHかどうかは分からない
生育不良にはいろんな原因が考えられます
- 肥料(栄養分が多い・少ない)
- 雑草に作物が負ける
- 水はけ(良い・悪い)
- 日照(日照り・不足)
- 土壌汚染や土の質(砂地・粘土質)
- 害虫や疫病、モグラやネズミ等の生態系
ぱっと思いつくだけでもこれだけあります
ちなみに我が家の家庭菜園で生育が悪い理由第1位は「雑草に負ける」です。
理由もはっきりとしているので、これまでpH測定の機会を逃してきています。
もしあなたの植えた野菜の成長が思わしくなくても、その原因が土壌pHを測らなかったからとは限らないのです
作物が思うように育たない、すぐ枯れる等生育不良はすべてのファーマー(作物を育てる人)の悩みの種です。
より良い野菜を育てたい、失敗したくないと思うのも当然のことです。
万全の態勢で野菜を植えたいと思うこともあるでしょう
しかし、土壌Hを測ることはカンタンでも、調整するのは難しいのですよ?
pH調整は難しい
野菜を作る最適のpHは「弱酸性」です。
そして日本の土壌は「酸性」になりやすいといわれています。
雨がよく降るため、アルカリ性の元となる石灰成分が水にとけて流れやすいからだそうです。
あなたの畑も酸性に傾いている可能性が!
「じゃぁ中和するためにアルカリ成分の高い「石灰」を土にいれよう」
そのやる気と行動力はとても素晴らしいですが、少し待ってください。
pH調整というのは、プロの農家でも失敗することがあるぐらい難しいものなのです。
石灰は確かに酸性を中和しますが、安易に使って量を間違うと「何も育たない不毛な土地」となる危険性もあります。
pH値を計測せずに作物を植えてみて、芽が出てある程度成長しているのなら、とりあえずは極端に偏ったpHではないということなので、安心してください。
そして土壌pHは作物をよりよく育てるために必要な要素の一つでしかありませんが、知識として知っておいて損はありません。
【基礎】土壌pHと土の酸性・アルカリ性【知識】

土壌pHを知ることは良い作物を育てるための要素の一つです
なぜなら、作物によって好みのpH値があるからです。
pH(ペーハー)とは酸性やアルカリ性の記号です
中性はpH7で、ここから数値が小さくなると酸性、大きくなるとアルカリ性です
理想の土壌pHは弱酸性と言われています
なのでpH6~6.5というあたりでしょう
先にも書きましたが、日本の気候は雨が多いので土壌が酸性に傾きやすいといわれています。
pH4を下回る強酸性になると、作物の生育が阻害されます
逆にpH8.5以上の強アルカリ性も、作物は育ちません。
そして、代表的な作物ごとの好みのpHがこちら
pH別作物一覧
pH5.0~6.0
サトイモ・大根・カブ・パセリ・スイカ
pH5.5~6.5
ニンジン・ゴボウ・キャベツ・カリフラワー・ブロッコリー・セルリー・トマト・メロン・エンドウ・ソラマメ・インゲン・キュウリ
pH6.0~7.0
ホウレンソウ・レタス・タマネギ・ネギ・アスパラガス・トウガラシ・ナス
【農学基礎セミナー】新版野菜栽培の基礎より
作物が育つ範囲の土壌pHは5~7あたりだということがわかります
こんな話を知ってしまうと、「やっぱり土壌pHは測った方がいいのでは?」と思いますよね?
土壌pHを測る機械と測らなくても目星をつける方法【裏技】

何かしらの作物を植えて、芽が出てある程度成長するのであれば、土壌pHは5~7だということになります。
しかし、万全態勢で臨みたい、自分の畑の土壌pHがどれぐらいなのか知りたい場合もあるでしょう。
そんな時は、土壌pHを測る計測器があるのです
土に刺すタイプの測定器です。ユーザーも多く楽天やアマゾンでも人気のようです。
こちらはデジタル表示の測定器です。上の物より少しお安めです。
一番安いもので、土に水を加えて上澄みを取り出し、測定するスタイルです。上の二つよりは手がかかります。
家庭用はあくまでも簡易版です。
土壌pHを細かく調べるには、専門機関に調査を依頼することもできます。
プロの農家は依頼しているケースが多いようです
ちなみに、庭や個人の畑等の家庭菜園で、計測器を使わず土壌の酸度を見分けるコツがあります。
それは雑草
スギナが多い土地は酸性に傾いていると言われています。
また、雑草の種類によっても、その土地が痩せているかいい状態かもおおよそ見当を付けられます
ヨモギやセイタカアワダチソウ等強い雑草で種類も少ない土地は、pHがどうこうより、そもそも土の中に栄養分がない痩せた土地です
逆に、カラスノエンドウやツユクサ、ハコベ、イヌフグリなど多種多様な雑草が生い茂る場所は、野菜等作物も育ちやすいといえるでしょう
まとめ
家庭菜園初心者は、土壌pHなど気にせず、とにかく植えてみるべし!
基礎知識として、土壌が弱酸性あたりであれば作物は育ちやすいと覚えていれば、最初のうちは十分です
それでも気になる場合は、市販の土壌pH測定器等を試してみましょう。
安いものだと3000円ぐらいで購入できます。
そもそも何かを植えようとする土地に、雑草すら生えていないようであれば、もはや土壌pHだけの問題ではありません。
たい肥等を入れて土を豊かにする必要があります。
逆に、いろんな雑草が生えて困っちゃう…ぐらいの土地の方が、作物を育てるのには適しているのです
最後までご覧くださり、ありがとうございました。